男のくせに話が長いのよ。

でもその話の腰を折って部屋から出ようとすれば、腕を掴まれ「まだ話は終わってない」と凄まれる。

我が儘で自己中とは正にこのこと。



「だから私約束を破る気なんてなかったの!」

だから一つ言うことを聞くなんてことはしなくてもいいと思うの!


「……俺、ずっと待ってたんです」

「え?」

「必ず来てくれるって信じてたから」


ヴァンは草をむしりながら小さく呟いた。


「え……。あ、ごめんなさい…」


夜だったからもうヴァンはいないと思って中庭に行かなかった。

それでも行けば良かった。

行けばヴァンはまだ私を待っていてくれたのかしら。


「ルールは、ルールですよね」

ヴァンは立ち上がり、意地悪な笑みを私に向ける。


何!?

落ち込んでいたんじゃないの!?