場所を変えて話を聞く事にした。
あまり人に聞かれたらまずい話なのかと勝手に想像して、話をする場所は私の部屋を選んだ。
そしてお兄様を凝視する。
少し身構える様な体勢でテーブルを挟み、向かい側の椅子に座るお兄様。
先に口を開いたのはお兄様だった。
「俺は何も知らない」
何から話せばいいのかと頭を働かせていたところにそう言われた。
「待ってよ。まだ何も言ってないわ」
「何を聞かれたって知らないものは知らない」
つまり、どんな内容であっても私には教えてくれないってこと?
取り敢えず私の聞きたいことを話さないと話が進まないわ。
「さっき私、庭師と話をしたの」
ラナはこれだけ話したら動揺した。
けれどお兄様の顔色は変わらなかった。
「庭師の様子が何かおかしいのよ」
「へぇー。」
「視線がちっとも合わないの」
腕と足を両方組んで、椅子に浅く座りだした。
話す前とは全く違う余裕なその態度は何なの!?
私は真面目に話しているのに!

