「続いて、新入生の言葉。 新入生代表……」 ようやく校長先生の退屈な話が終わった。 やっとこの時が来たか……。 新入生代表はもちろん、この俺だろ? 名前を呼ばれる前から若干腰を浮かせ気味にして待機する。 そして告げられた。 「高宮春菜」 ……はっ? 想定外のことに一瞬思考が止まる。 呼ばれたのは俺の名前じゃない。 タカミヤ・ハルナ。 誰だ、それ? 「はいっ!!」 俺の疑問に答えるかのように講堂に声が響き渡った。