奈緒は高校を卒業して地元を離れ、デザイン科目を専門とする専門学校に入学した。
しかし、
通い始めた学校もそれなりには楽しいのだけれど…
正直これといった刺激は特に無く、自動的に学校と家を行ったり来たりしている。
それが毎日だった。
おまけにちょうどその時期に奈緒の大好きだったバンドが解散して、余計にやる気を失っていた。
―あー、七月に入ったのに毎日雨ばっかだし。
あーあ、つまらない。
つまらない!―
奈緒は次の講義をサボろうかとだらだらと歩いていた。
その途中、中庭で一人煙草を吸っているハデな男を見かけた。
そのハデな男が十年前の陽登だった。
当時の陽登は髪を金に染め、耳にはピアスが幾つもついて、
鋲ベルトにボロボロのジーンズを腰履きしていた。
足元は真っ黒のスニーカー。
その横にステッカーを幾重にも張ったデッキが置いてあった。
派手な出で立ち、さらには身長も180センチと大きく、
その姿はどこに居ても見つけられるものだった。
もちろん目立つ理由はそれだけで無く、
あっさりした顔立ちではあるが、鋭い目に鼻筋は通り、色白で、整った唇。
所謂イケメンだった。
しかし、
通い始めた学校もそれなりには楽しいのだけれど…
正直これといった刺激は特に無く、自動的に学校と家を行ったり来たりしている。
それが毎日だった。
おまけにちょうどその時期に奈緒の大好きだったバンドが解散して、余計にやる気を失っていた。
―あー、七月に入ったのに毎日雨ばっかだし。
あーあ、つまらない。
つまらない!―
奈緒は次の講義をサボろうかとだらだらと歩いていた。
その途中、中庭で一人煙草を吸っているハデな男を見かけた。
そのハデな男が十年前の陽登だった。
当時の陽登は髪を金に染め、耳にはピアスが幾つもついて、
鋲ベルトにボロボロのジーンズを腰履きしていた。
足元は真っ黒のスニーカー。
その横にステッカーを幾重にも張ったデッキが置いてあった。
派手な出で立ち、さらには身長も180センチと大きく、
その姿はどこに居ても見つけられるものだった。
もちろん目立つ理由はそれだけで無く、
あっさりした顔立ちではあるが、鋭い目に鼻筋は通り、色白で、整った唇。
所謂イケメンだった。