“そうか・・・萌香が無事だったならいいんだ”

確かに、萌香が無事ならそれでいい。

だけど・・・萌香と葉月の距離が近づくのはおもしろくねぇ。

・・・すげー嘘文言ったんだな、僕・・・。


“ごめんね司・・・っっ!
司・・・風邪ひいてるのに・・・!!”


そーだよ。

僕は風邪ひいてるって言うのに。

萌香が買ってきてくれる薬なら、おいしく感じる気がした。

だけど―――――




“あ・・・あのね、司。
裕貴くん、あたしのせいで入院になっちゃったの。
あたしを助けたせいで・・・。
だから・・・しばらくは病院に通って、裕貴くんの介護するって決めたんだ・・・。
ごめん・・・”




・・・当然だよな。

僕だって・・・病人だが。


萌香・・・僕は知ってるよ。

君は、知らないと思うが。

・・・君は・・・



君が本当に愛しているのは、

僕じゃなく―――――


“葉月裕貴”なんじゃないか―――――・・・?