向かった先は映画館。



正直、意外だった。



もっと変な所に
連れて行かれるのかなって
思っていたから。



そんなこと言ったらきっと
「じゃあ、行こうか」って
言うに決まっている。





「デートで
映画館は初めてでしょ?」


「うん。っていうか
デートじゃないし!」


「うわ〜、おしい!!」


「おしくもなんともない!!!」




そんないつものやり取り。



そして見ることにした映画。



というより准一が選んだのは
『キミとボク』




両親のいない1人の女の子が
小さなノラ猫とともに
大きく育っていく物語。




苦しみもあるけど、君といれば
なんでも幸せだっていう
猫の思いを綴った物語だった。



意外な選択だった。