「気長にいくつもりなんて
全くねぇから。…覚悟してろよ」
チュッ
パシャ
一瞬だった。
たった一瞬のうちに
あっさりとやられた。
あたしのファーストキス。
あっという間に奪われていた。
放心状態のあたしはその場に
へたり込むしかなかった。
「んじゃ、そういうことで」
そのまま彼は帰って言った。
教室に戻ると机の上に
置きっぱなしだったケータイに
新着メールが届いていた。
そのメールは誰からか分からない
知らないアドレス。
開けると…
『もし正体バラしたら、
これバラまくから』と
一緒に添付された一枚の画像。
それはさっきのキス画像だった。
「いやぁぁ〜〜!!!」
大きな声が学校中に響き渡った。
その後、そのアドレスは
『ダサメガネ』と登録された。