社長のご指名

「まっま……ひぐっ…ま、まっ。」


「ままいるからね。大丈夫よ。」





首にしがみ付く紗衣は何度も私を呼ぶ。





「紗衣ちゃんどうかしたんですか?」





海堂社長の声が聞こえ、ちょっとビックリしてしまった。





「怖い夢見たのかもしれないです。」





とりあえず、明るいリビングに連れて行けば泣き止むかもしれないから、抱っこしたままリビングに向う。




「ままぁー……ひぐっ……さーくんいる。」





海堂社長と目が合った紗衣はすぐに泣き止んだ。





しゃっくりはしてるけど、涙は流れてない。





「まま、さーくんいる。」

「うん、一緒にご飯食べるの。」





そう言うと私から離れ、海堂社長に駆け寄って行った。





今までの涙はなんだったの…?





「さーくん!」


「おいで、紗衣ちゃん。」

「うきゅー!」





海堂社長に遊んで貰ってる間に晩ご飯を作ろうと、今度こそキッチンに向かった。