「お前ってさ……そんな奴だった?」





呆れ声でこんな事いうのはここのホテルの御曹司。





高校時代の同級生で元モデル仲間の才賀久人(サイガ ヒサト)。





「ニヤニヤして気持わりぃ…。年齢考えろっての。」

「まだ27だ。」


「はいはい。」





俺のテンションを下げる久人。





しょうがないだろ?





今日は人生で一番幸せだと思えた日なんだから。





動物園に行き、従業員の方に写真まで撮ってもらった。





それだけで幸せの絶頂だったのに、従業員の方はさらに俺を喜ばせた。





鳴海さんと俺を夫婦だと思っていて、美人な奥さんですねって……





「ありがとうございます。僕の一目惚れでやっと射止めたんですよ。妻はこの通り美女なので大変だったんです。」





調子にのった俺はそう言ってしまった。





こう言った事をいつかは現実にしたいと思った。