社長のご指名

黙ってその様子を見ていたが、俺も紫穂さんを知っていた。





短い間だが、メンズ誌のモデルをしていて現場や雑誌で見た事があった。





そんな紫穂さんに図々しくモデルを頼み込む中村。





戸惑っていたが、julietの遠山(トオヤマ)社長の後押しもあり承諾してもらえた。





それだったら彼女――…鳴海さんにもモデルをと言ってみたが即答で断られてしまった。





遠山社長も鳴海さんのモデルにはいい顔しなかった。




理由は子供がいる事だった。





こればかりはしょうがないと思ってながらも、諦めきれない。





でも、どうしようもない。




落胆しつつ、会社に戻る事になった。





「社長、紫穂さんマジ綺麗ですよね。」


「だったな。」


「俺、マジでファンなんすよ。紫穂さんの写真集も表紙を飾った雑誌もテレビの特集もDVDに残してるんです。」





そこまでかと若干引いてしまった。