社長のご指名

笑顔が見れた――…笑顔を向けてくれた。





声が聞けた――…話す事が出来た。





なによりこんな近くで彼女を見る事が出来た。





嬉しくて、嬉しすぎて彼女を凝視したまま固まってしまった。





それを不審に思った彼女を、困惑させてしまった。





これ以上はマズイと感じ、彼女から離れた。





今さっきまで目の前にいた彼女はやっぱり綺麗だった。





美人や美女なんて呼ばれる人はいるが、彼女が一番だと思う。





すれ違った時は気づきもしなかったが、女性にしては長身だった。






180ちょっと身長のある自分とさほど変わらず、目線もほぼ同じ高さだった。





まだ寒くはないのに、車に向う自分の体は身震いしてしまう。





彼女に話しかけた瞬間、心臓が異常な速さで脈を打つのがわかった。





手を胸に当てれば、ドクンドクンと脈が伝わってきて、その音が聞こえてくる始末。