社長のご指名

子供と荷物を座席に乗せ、運転席に向うところで話しかけた。





「あっ、やっと見つけた!はぁーよかった…。」





白々しい事を言ってしまった自分がおかしくなる。





いきなり話しかけられた彼女は首を傾げ戸惑っている。





そうだよなー…いきなり知らない男に話しかけられ、やっと見つけたって言われても意味わかんないよな。




「あの、コレ落としましたよね?」





スーツのポケットからうさぎのぬいぐるみを取り出し差し出した。





「あっ!紗衣のだ。」




彼女の友人だろうか、これまた美女が驚いたように声をあげた。





「やっぱり。女の子がコレを付けてるのを見たんです。それが落ちてたからもしかしたらと思って。」





目を見開いていた彼女は、ありがとうございますと破壊力抜群の微笑みを見せてくれた。





時が止まったかのような錯覚に陥ってしまった。