仕事に厳しく、萩原先生の厳しい言動に泣き出すモデルもいるんだとか。





「ソイツな…俺が今まで出会ったモデルの中で一番なんだ。」





背を持たれ、目を閉じながら懐かしそうに話す萩原先生。





「俺が見つけた時はまだ、ティーン向けの雑誌モデルだった。カメラを前にするとガラリと表情が変わって、撮るたびに身震いを感じたもんだ。」


「そうなんですか……。」

「ソイツはどこに行っても変わりなく輝いてた。どんなカメラマンもソイツに夢中だったんだ。」


「………。」


「仕事とプライベートのギャップが激しくてさ、それもソイツの魅力だな。……だが、絶頂期に突然モデルを辞めると言い出した。必死で止めたが、ソイツの意思は固くあれから顔も見せない。あれほど有名な名前さえ、消えかけてる。」





穏やかなに、時折微笑しなが話してくれる。





「もう一度だけでいいから、ソイツを撮りたいな。」