社長のご指名

緊張して、声が小さくなりそう。





「決定はしてませんが、選考は致しました。」





社長から預かった候補書を鞄から出し、萩原先生に渡す。





「これか?」


「はい。」





書類に目を落とし、一枚一枚見ていく萩原先生。





「これだけか?」


「はい。10人選ばせて頂きました。」


「10?……9人分しかないが?」


「あと1人は、先生もご存知だと思いますが、10人目はうちの秘書課に勤める須藤紫穂の名前が上がってます。」


「ほぉー…紫穂か…。久しぶりに聞いたな。」





候補書を机の上に置きソファーに深く座り、顔を上げた先生と目が合う。





「1人……1人追加は出来ないか?」


「私の一存では決めかねますが、その方のお名前だけでもお伺いしてもよろしいでしょうか?」


そう言ったら萩原先生は席を立ってしまった。





わけがわからず、でもとりあえず待ってたら数分で戻って来た。