「紗衣がままのお腹にいたときのぱぱだよ。紗衣には、ぱぱが2人いるの。」


「ぱぱっ!ぱぱっ!」





朔夜と修一を指差し、ぱぱと呼ぶ。





こんなに嬉しくて幸せな事はない。





忘れかけていた声が懐かしい。





忘れかけていた顔が懐かしい。





無責任だなんて言わないで……。




泣きそうな顔で笑わないで……。




私が最初に愛した人はこんなにも素敵な人だった。





修一みたいな人、世界中どこを探しだって絶対にいないよ。





「ままっ。」


「な、に?」





涙を拭い、紗衣を見る。





「まま、だいしゅきー!」


「ん………ん……ままもっ、紗衣…大……好きぃ……。」





折角涙を拭ったのに、早速修一のお願いを実行して私をまた泣かせる。





修一、紗衣はあなたの言葉を理解してるよ……誰に似たのか頭がいいみたい。





紗衣の笑顔が曇らないように、修一も空から見ていてね――――。