『本当はガンなんだ。けど、言い出せなかった。病院で見た章菜を笑わせたいと思って咄嗟に嘘ついてしまったんだ。一緒に克服しようって言った時、俺のガンも治るんじゃないかって思ってしまったんだ。
お腹は大分膨らんだか?それとも、もう産まれた?俺達の紗衣を見たかったんだけど……ごめんな、俺の時間はもうすぐ止まるんだ。同意の事とはいえ、やっぱり無責任な事をしたと思ってる。』





息がつまって苦しくなる。



涙のせいで画面が歪んでしまう。




『あんまり長々と語ってしまうと、泣いてしまうかもしれないから次で最後にする。
鳴海章菜さん、俺と出会ってくれてありがとう。けど、これからを生きる為には俺に縋らないで欲しい。いい思い出程度でいいから。次の恋をして、章菜を幸せにしてくれる人と必ず結婚して。
章菜………世界で一番愛してたよ。』





寂しくて悲しくて、愛していたと過去になってしまった事に涙は止まらず、嗚咽が漏れる。