寝る前に用意して置いた洋服を着せるんだけど……





「これやっ!」





チェックのピンクワンピースを着せようと思ったんだけど、お気に召さないみたい。





「どれがいいの?」





紗衣用のチェストを開けて、選ばせる。





「これ!うさたん!」





選んだのはうさぎがプリントされたシャツ。





紗衣の一番お気に入り。





急いで着替えさせ、私はメイクをする。





ファンデーション塗って、アイシャドウ塗って、リップを塗るだけの簡単なメイク。




「紗衣ちゃーん、行くよ?」


「あいっ!」





手を繋いで、家を出る。





向う先は保育園じゃなくて、私の会社。





鳴海章菜(ナルミ アキナ) 23歳。



大手アパレル会社で秘書をしてる。



紗衣は私の娘で2歳。





会社に割りと近いアパートに2人暮らし。





私の勤める会社には、子供がいる人も働けるようにと託児所がある。