ヒクヒクと喉を鳴らす紗衣の背中をゆっくりと擦る。





「紗衣はエライね。痛かったけど、泣かないように我慢したんだよね?」


「ゔん……。」


「いい子、いい子。」


「さ、えっ、いいこ?」


「うんっ、いい子。ぱぱにも褒めて貰おうね。」





涙で顔は濡れているものの、もう涙は流れてなくて漸く笑顔を見せてくれた。





「お部屋戻ろうかね。」


「かねっ。」





看護師さんを呼ぼうとカーテンに手を掛けたら勢いよく開き、見上げると朔夜が立っていた。





「リハビリ終わった?」


「うん。今、部屋に戻ろうとしてたところ。」


「ぱぱぁー。」


「紗衣ちゃん、リハビリ頑張った?」


「がーばった!」


「おっ、いい子だね。」


「うひぃ〜。」





朔夜に抱っこされ、頭も撫でてもらった紗衣はすぐに機嫌がよくなった。





ニコニコと満面の笑を朔夜に向けている。