紗衣が喜んでる………?





「下らない事は考えなくていい。」

「………。」


「考えてたんだろ?何も心配しなくていい。俺が好きなのは章菜だけ、紗衣ちゃんだけ。」


「ん……ありがとう。」





好きだと、私だけだと……。





落ち着く、心が暖かくなる。





過去は消せない





過去は消えない





過去を忘れるなんて出来ない。





修一が好きだった、大好きだった。





愛してた、今でも愛してるのかもしれない。





でもね、修一と同じぐらい好きな人が出来たの。





好きで大好きで堪らないの。





修一とは似ても似つかない人。





意外と小心者だし





口は悪いし





私と同じぐらいしつこい人だし





でもね、すっごく優しい人なの。




私を支えてくれるの。





そこだけ修一と似てるかもしれない。





修一の事は死ぬまで忘れない。





でも、過去は振り替えらない、過去に縋らない。