社長のご指名

突然聞こえた紗衣の声に私達は固まってしまった。




「ままぁ?さーくん?」





チラリと紗衣に視線を移せば、顔だけをこちらに向け大きな瞳でジィーと見つめている。





「紗っ紗衣、起きたの?」


「しょー。おっきしたの。」


「あっあのね!ままね………。」





どうしよう―――――…なんて言えばいいの?





どう言えばわかるの?





付き合うって言ってもわからないと思うし……。





「紗衣ちゃん。」


「なにー?」


「紗衣ちゃんのままをさーくんにちょうだい?」





私から離れた朔夜は紗衣のベッドに近づき、目線が同じになるように体を屈めた。





「やぁー!まま、さえのっ!うわぁぁーま、まぁー…。」


「言い方悪かったかな…。」





紗衣が泣き出して、朔夜はクルリと私の方を向いて苦笑する。





「紗衣ちゃん。」


「ゔー…まっま、さえのぉ。」