妊娠がわかってから、修一は毎日私のお腹に話しかけるようになった。





女の子が欲しいと言う修一。





だから私も女の子が産まれてくる事を願った。





名前も2人で決めた。





ただ単に可愛いっと思った――…“紗衣”。





「2人で大切に育てような。」


「うんっ。」


「俺達の可愛い紗衣、早く見たいな。」





毎日が幸せで穏やかだった。





でも、私達はもうすぐ離ればなれになる。





どんなに願っても祈っても会えなくなる。





修一は、起き上がるのも苦痛になるほど悪くなっていた。





本当は入院しないといけないのに、修一はそうしなかった。





1日でも長く生きて欲しい。





だから、修一の担当の先生に相談をした。





「修一、日本に帰ろう……。」





修一の産まれた国で最後の時間を家族で過ごして欲しい。