「アキって芸名でしょ?」


「………。」


「本名教えてよ。」





私の態度に気分害する事もなく、今だニコニコ笑いそう言ってくる。





「鳴海…鳴海章菜。」


「よろしくなっ。」





差し出された手を躊躇いながら握った。





「章菜ちゃんって拒食症でしょ?」




自己紹介しただけなのに……。





そんなに私は窶れてるの?





「ビックリした?実はさ、俺も拒食症なんだ。」





失礼とわかっていながら永家さんをジロジロ見てしまった。





確かに細い。





一般男性と比べてみても一回りは細く感じる。





「だからわかったんだよね。リハビリすんの?」


「仕事で休みなんか取れない。」


「じゃあ、リハビリしないんだ……。だったらさ、俺と一緒にリハビリしようよっ。」





はぁ!?





「だから、リハビリは……。」


「うん。しないんでしょ?でも、通院はするよね。その時に報告しあおうよ。」