「鳴海さん、よかったですね。」


「……っはい。」


「傷が完全に塞がるまで後少しかかります。手足の骨が繋がるのはまだ先ですが、お母さんも一緒に治していきましょうね。」


「はい……っ……ありがとう、ございます。」





親子で泣きじゃくってるのに、先生と看護師さんの笑顔は温かくて、余計涙を誘う。





「紗衣ちゃん、痛いよね。もう少しで治るからね。頑張ろうね。」

「ゔぁぁ〜。うっ………ひぐっ……。」


「紗衣、ままと頑張ろうね。」


「ま゙、ま゙っ……がばるっ。」


「うんっ…。ままも頑張る。まま、ここにいるからね。」


「うっ……えぐっ……ままぁ。」





小さな手を握ると力は弱いけど、きゅっと握り返してくれた。





紗衣の手が温かい。





それだけの事なのに、また涙が溢れる。





「紗衣、ばぁばもいるからね。」


「ばぁ、ば……。」





紗衣の顔を覗き込んだお母さんはハンカチで目元を覆っている。