なんだか照れくさくて、そっぽを向き笑みを浮かべてると、ピピッと機械の音が部屋に響いた。





今まで聞いてきた音と違っていたから慌てて紗衣の方に体を向ける。





「…………まぁ…」





消えそうなほど小さい声だったけど、確かに聞こえた。





「紗、衣……。」





体を起こし、紗衣のベッドを覗き込む。





「…ま……まぁ……。」


「紗衣っ。」





目が開き、口を微かに動かして“まま”と呼んでくれた。





お母さんにナースコールしてもらうと、紗衣の担当医と看護師さん2人が来てくれた。





「紗衣ちゃーん、見えるかな?」


「ま、まっ……ま……まぁ〜。」


「紗衣……。」





車椅子に乗せてもらい、紗衣の寝てるベッドまで行く。





ベッドを覗くと傷が痛いのか涙で顔が濡れていた。





「まっまぁ、あ゙ぁぁぁぁ〜。」


「紗衣、ままいるからね。」