寝癖がついて跳ねてる髪の毛を手でとかす。





「これなーんだ?」





なくしたうさぎを見せると目を見開き固まってしまった。





「紗衣ちゃんに会いたくて帰って来ちゃった!」





紫穂が声色を変え、そう言った。





「うさたん!」





私からうさぎを受け取りギューで抱き締めた。





「うさたん、だいしゅきぃー!」


「よかったね〜。」





そう言うと紗衣はうさぎの頭にチュッてキスしてた。




日に日に大きくなって、言葉も覚えてくる紗衣。





前みたいに夜泣きもしなくなった。





ぬいぐるみを自分の周りに集めて、ままごとみたいな事してる。





紗衣には父親がいないからぱぱって言葉を知らない。




本当は知ってるのかもしれないけど、一度もぱぱなんて言葉を聞いた事ない。





紗衣には私がいるから大丈夫なんて事はただのエゴだってわかってるけど、私は紗衣がいれば毎日が幸せなの。