お父さんが拗ねてるって…私、関係ある?





｢お母さんと喧嘩したの?｣


｢ん〜…近いようで近くないみたいな?｣





よくわからない返答に眉を寄せる。





話しながら荷物を持ち、控え室を出て長い通路を歩く。





｢ほら、お姉ちゃんさこの前お母さんと電話したでしょ?｣





梨珠さんの別荘にいた時、一回だけど電話で話した。





｢夜ね、その事をお父さんに話したら、なんで俺が仕事に行ってる間に話すんだ、って不機嫌になったんだって。｣


｢それで喧嘩になったの?｣


｢うん…まー……そうかな?お父さんってお姉ちゃん溺愛してるもんね〜。仕事の人にも自慢の娘って紹介してるぐらいだし。｣


｢それは雪菜も同じじゃない。｣





そういえば、お父さんの仕事関係の人に何度か会った事がある。





｢お父さんに今度電話するって言ってて?｣


｢わかった〜!じゃあ、またね。｣