社長のご指名

紗衣をチャイルドシートに乗せ、運転席に回ろうとしたら声がした。





振り返ると膝に手を着き、呼吸を整えてる男性がいた。





「あの……。」


「はぁー間に合ってよかった。」





顔を上げた男性は安堵した表情を見せる。





どういう事かわからず、紫穂と顔を見合わせ首を傾げる。





「あの、コレ落としましたよね?」





男性がスーツのポケットから取り出したのは紗衣のなくしたうさぎさん。





「あっ!紗衣のだ。」


「やっぱり。女の子がコレを付けてるのを見たんです。それが落ちてたからもしかしたらと思って。」


「ありがとうございます。」





男性の元に行き、うさぎを受け取って頭を下げた。





近くで見ると背の高い人だった。





「本当にありがとうございます。」





もう一度お礼を言うと、男性はジィーとこっちを見ている。