「家に帰って、もう一度読みなさいね。」


「………はい。」





段ボールを引き取り、秘書課に戻る。





「ファンレターじゃん!」





席に着くと、イスを転がし紫穂が寄って来た。





「うん、凄い量だよね。今でもこんなに貰えるなんて…嬉しいよね。」


「そうだね。」





顔を見合わせ笑い合った。





昼休みに聞いたら、紫穂も結構ファンレターを貰ったみたい。





出社する時にファンだと言う高校生に話しかけられ、話し込んでたら遅刻しそうだったとか。





紫穂もファンがいてくれる事を喜んでいた。





「また、コレクションまで残業になるみたいよ?」


「休んだ分頑張らなくちゃね。」


「私もバックの為に頑張らなくちゃ!」





そう言った紫穂を笑うといじけた表情を浮かべる。





「なによーう。」


「なんでもない。バックの為に頑張って?」