「嬉しいわね。今でもファンはこんなにもたくさんいてアキを応援してくれている。」





言葉を口にしたら涙が零れそうで社長の言葉に何度も頷いた。





こんなにも温かい手紙。





モデルを辞めた今でもファンだと言ってくれる。





なのに私は、ファンにお返しも挨拶もせずに辞めた。





そりゃ、バッシングだってされちゃうよね。





素直に子育てに専念したいからと言えばよかった。





子供の傍にいたいと言えばよかった。





でも、あの頃の私は全てが嫌になり逃げ出した。





撮影もステージに立つのも、ランウェイを歩くのも嫌になった。





とにかく、何かをする気力もなくて生きてる事さえも嫌になっていた。





スケジュールに追われる毎日から逃げ出した。





そんな自分勝手の私をまだファンだと言ってくれてる。