『紗衣は元気?』


「うん。毎日色々話してくれるよ。言葉も大分覚えてきたし。」


『そう。近いうちに遊びに来てね。』


「うん、行くつもりだよ。」


『あちらにもちゃんと行きなさいね?』


「うん………そうだね。」





行かなきゃいけない……けど、あんな終わり方をしてしまったから行くのが怖い。





「ねぇ、雪菜は元気?」





話を逸らした私にお母さんも気づいた。





『……ええ、元気と言うより頑張ってるわ。雪菜ってばお姉ちゃん、お姉ちゃん煩いのよ。』





雪菜は7歳年下の妹。





『全く…章菜が心配だったら電話するか会いに行けばいいのに、仕事で疲れてると思うからって我慢してるみたいよ?章菜から電話してあげて?』





「うん。そうする。………お母さん。」


『ん?』


「ありがとう。」


『なによ、いきなり。』





だって、言いたくなったの。