「このな、子供との2ショット写真が撮れたのは俺だけなんだよ。」

「そうなんですか!?」


「ああ。外国じゃこのファーストショットに何億と出してオファーを受けるんだ。」





写真に何億!?





「もちろんアキにもその話しはあった。最高額が日本円で言うと10億だったか?」


「10億ですか!?」


「ああ。有名なハリウッド女優もそこまでいかない。高くても3億ぐらいだな。けど、アキは全て断ったんだ。勿体ないだろ?」





驚き過ぎて言葉が出ない。





「子供を産んだ後すぐにここに来てさ、ファーストショットは俺に撮って欲しいって言ったんだ。長年この仕事をしててこんなに嬉しい事は初めてだったよ。」





そう話す萩原先生は懐かしそうに目を細め笑みを浮かべる。





「社長さん、アキが好きなんだろ?」


「えっ!はいっ…。」


「難しいと思うが幸せにしてやってくれ。1人じゃ抱えきれない悲しみを1人で抱え込んでるんだ。」