走馬灯を見終わったアタシは、深くため息をついた。

その後、彼はアタシにまるで執事のように仕えるようになった。

彼いわく、

「だってオレはキミのモノだし?」

…だ、そうだ。

いくら緊急事態だったとはいえ、アタシったら何てことを…。

思い出すと赤くなるのを通り越して、青くなる。

「ううっ…。人生最大の汚点」

「何てことを言うんですか、お嬢様。オレはあなたのモノになれて、とても幸せなのに」

…と、満面の笑顔で言うも、うさんくさい。

「…アンタ、アタシをからかうことに生きがいを感じてるでしょう?」

「とんでもない。オレは」

突然、アタシの手と腰を掴み、引き寄せる。

「キミのこと、結構気に入っているんですから。最期まで、お付き合いいたしますよ」

アタシの左手の指に口付けた後、唇に優しくキスしてくれる。

…まるで結婚式の誓いのキスのように。