それが現状。




でもどうしたって同じ王宮にいる以上無視する訳にもいかないのよ。



だって私は『王の娘』で、


フェンレントは『大臣の息子』な上『軍司』としても将来有望なんですもの……。




お父様までが「フェンレントを見習え」とか、フェンレントには「自由奔放に育ちすぎてしまったから教育を頼む」なんて自分の子育てを棚に上げて私を叱咤するものだから、

フェンレントがますますつけあがることこの上ないったら。







あの麗しい王子様はフェンレントなんかじゃなくて、


泡のように消えてしまった……と思い込んでしまった方が美しい思い出のまま心に残るわ。







時々本当にそう思うのよ…………