ミンミンと蝉の鳴く声。 少々うるさい気もするそれは、窓を挟んだ教室まで聞こえて来る。 さすがの居眠り王でも、こんな耳障りな音の中なら寝る気にもならず、ちゃんと起きて勉強しているだろう――――… なんて、考えたあたしがバカだった。 案の定、上の空な日向くんは、ぼーっと天井のシミなんかを見つめて、先生の話なんか聞いちゃいない。