「もうあいつの泣き顔にはうんざりやねん」
―――心が、痛くなるから。
「これから先も付き合わされると思ったら、気が遠くなる」
そう言って軽く笑うと、頬に重い衝撃が走り、気付くと後ろに吹っ飛ばされていた。
「…いってぇな」
すぐにそれが殴られたせいだと分かるのは、口内にじわじわと血の味が広がっていくから。
倒れた体を軽く起こし壱夜を睨むと、
「バカかお前」
すぐに今の俺にぴったりな言葉を落とされる。
「マジで言ってんのか?」
「あぁ」
「お前じゃない誰かが聞いてやることであいつが楽になるって、本当にそう思ってんのかよ?」
「……あぁ」

