「ほんとに分かってんのか?」 「……あぁ」 「あいつが悩んでるの、お前も知ってんだろ?」 「は…?」 自分でも、ヤバいと思った。 無意識のうちにとげのある声で返した俺に、部屋の空気がぴりっと張りつめる。 「お前、最近陽菜の事がわかんねぇって言ってたよな?」 「あぁ」 「それ、陽菜と一緒なんだよ。あいつもお前と一緒の事で悩んでる」 珍しく饒舌(じょうぜつ)な壱夜を前に、どうしていいのか分からなくなる。 悔しいような、もどかしいような。 それでいて、今まで感じたことの無い焦り。