―――『ちょっと日向!』


「いたっ!」


救急箱にあった包帯が日向の顔にクリーンヒットする。


『邪魔せんとってよ、もう!』


けらけら笑う日向に気が散って、なかなかうまく出来ない。


そう思いながら、壱夜の手に包帯を巻きつけていく。


「やばいってお前!何でそんな不器用やねん!」


『うるっさいなぁ!』


壱夜の手を指さして壊れたように笑う日向に、もう一度包帯を投げつける。


さぁ、もういちど。


そう思い、まるでグローブでもつけているような壱夜の手を取ると、


「陽菜、もう大丈夫。ありがと」


苦笑いの彼に速攻で止められた。