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「ひーなちゃん」
あたしの携帯をパタンと閉じた稲葉が楽しそうに振り返る。
その笑顔にやっと自分が騙されたんだと気がついた。
「……うち、ハメられたわけ?」
そう言って奴を睨みつけると、稲葉はあたしの頭を撫でながら馬鹿にしたように笑う。
「相変わらずアホやね、陽菜ちゃんは」
「……っ言われんでも分かってる!」
―――そう。言われなくても分かってる。
前のめりになって叫ぶと、後ろで捻り上げられた手がズキッと痛んだ。
「愛されてるなぁ、あのライオンに」
あたしの顎を掴み顔を近づけて来る稲葉は、相変わらずニタリとした表情を張り付け、
「この可愛い顔と体にキズつけたら、あいつどんな顔するんやろなぁー?」
あたしの頬に爪を立てると、顎先に向けて指を滑らせていく。

