しまった!そう思った頃にはもう遅く、俺の目の前には閉ざされた扉が静かに佇む。
すぐにドアの取っ手を引いてみるも、ガチャガチャと鍵の引っかかる音だけが響き、まるでビクともしない。
「……ちっ」
焦りとイライラで蹴飛ばした机が、側の椅子を巻き込み倒れていく。
「はめやがったな、あいつら」
とりあえず状況を把握すると、壁にもたれかかりズルズルと腰を下ろした。
窓から見上げた空は先ほどと打って変わり、渦を巻いた黒い雲が覆いかぶさるように近づいて来ている。
こんなことは入学してから何度かあった。
稲葉や渡辺のバカな挑発には何だかんだて付き合ってきたけれど……
「殴り合いちゃうんかよ」
ストレス発散になる喧嘩ならまだしも、こうやって閉じ込められるならイライラがたまる一方だ。

