「……渡辺」 一体、いきなり何なんだ。 首を傾げ目の前の渡辺雅哉を見上げると、「ちょっとツラ貸せや」―――何やら、穏やかな話ではないらしい。 けれど、俺だってそんなに暇じゃない。 今だってこの眠気に負けて、意識がぶっ飛びそうだ。 「何やねん、話しやったらここでしろや」 大きいあくびを繰り返しながら俺が言うと、渡辺はイラついたように眉を寄せる。 「お前のお姫様がどーなってもいいんかよ?」 そしてまた、穏やかでない言葉を繰り出した。