ぐるぐる回り、混ざる気持ちは行き所を知らない。


あの子はこれからだって日向にお弁当を作ってあげられる。


だけどあたしはもう作る事が出来ない。


そう思うと、どうしようもなく悔しくなって、気付いたら涙が零れそうになっていたんだ。


『日向に悪いことしたなぁ…』


不意に出た言葉に顔を上げ、天井を仰いだ時だった。


「何してんねん、陽菜」


『え…?』


聞き慣れた音程の声に、落ち着く喋り方。


あたしが向けた視線の先には、「よぉ」と片手を挙げて、陽気に笑う日向の姿があった。