「日向、何言ってんの?陽菜ちゃんはもう何処にもおらんのに…」 日向の声に続くように、彼女の声が耳に届いて…やっぱり振り向くのを止めた。 視線を背中いっぱいに感じて、日向があたしをじっと見ている事は分かっていたけれど… 首を何度か横に振って、あたしは屋上から大空に飛び立った。 …日向のアホ。 殴られたって、蹴られたって、幽霊だからどうって事無いのに。 胸の痛みだけが、ずっと残って広がっていた。