風がふわっとスカートを揺らし、遥か下の地面が見える。


「陽菜…!?」


後ろで日向があたしを呼んで、声色からかなり焦っているのが伝わった。


あたしは一度死んでいる訳だし、ここから飛び降りたって、また死ぬ…なんて事はない。


でも日向の珍しく焦った声に、少しだけ後ろ髪が引かれる思いになって、振り返ろうと踵を踏んだ。


けれど―――…