「日向?」 「ん、何や?」 不意に名前を呼んだ彼女の手が、日向の膝に移動する。 こんな時でも気ままな風は、ふわっと屋上を流れて行って、 「あたし、明日も作って来ていい?」 …彼女が口にしたその言葉に、乱れた髪を直すあたしの手が止まった。 「ほら、陽菜ちゃんだって、もうおらんのやし…」 「…っ……」 少しだけ声を洩らして固まった日向の表情からは、何を考えてるのか読めそうに無い。