何もかも忘れて―――。 …あたしの事も? ピタリと涙が止まって、部屋が静寂に包まれる。 時計の秒針の音しか耳に届かなくて、何だかこの世界に一人だけ取り残されたような気分だった。 ―――やっぱりあたしは、どうしようもないバカだ。 小心者で、意気地なし。 何もかも忘れて、幸せに過ごして欲しいと思っておきながら。 いざ自分の事も忘れられるんだと思うと、こんなにも悲しくなるなんて。