『別に…いつだって日向と一緒に帰らなあかん訳じゃないやろ?…それに、』


―――日向、あの子と一緒に帰りたかったやろ?


『…今日は、イチも学校サボるって言ってたし』


皮肉めいた感情を精一杯隠して、喉まで出かかった言葉を呑み込んだ。


だけど、その代わりに言った言葉をすぐに後悔したのは、日向が悲しそうに笑ったから。


「そうやな」


どこか自嘲的なその笑みに、泣きたくなる。