―――☆


「何で先帰んねん」


ベットに寝そべり天井を見上げていると、ふいに上から覗きこまれた。


不機嫌そうな表情に焦点を合わせると、彼の眉がピクリと動く。


『……』


何も言わずただ彼の瞳を捉えるあたしに、


「なぁ、聞いてんの?」


次は少し不安そうな声が耳の奥をくすぐる。


潤んだビー玉のような瞳は、あたしのドロドロした感情を全てを見透かしてしまいそうで、何だか少し怖かった。