『…そういう“好き”じゃなかった』 「……」 『綾子先輩みたいな、そういった好きではなかった』 「…そうか」 ふと、下げ気味だった顔を上げると、少し驚いていた壱夜の瞳が優しさに染まる。 その横顔が少し笑ってるように見えたのは―――…あたしの気のせいだったんだろう。