“それ”が起きてしまったのは、本当に突然。 予感さえしなかった鈍感なあたしは、こんな性格だからか特別驚きもしなかった。 …けど、“それ”は高校に入学してから一番の事件だった―――…らしい。 「陽菜ちゃんって彼氏作らへんの?」 「え?」 空を見上げていたあたしの口が、ポカンと開いた。 間抜けな声を落として弘樹を見つめるあたしは、きっと酷く滑稽だ。 最近先輩はよく質問するなぁ……なんて、暢気に考えてた矢先。 早速あたしに疑問をぶつけてきた弘樹は、楽しそうに口角を上げた。