「陽菜、今のなんだ?」 騒ぐ周囲に対し、冷静さを崩さない壱夜が少し困ったように首を傾げる。 さすがに情報が少ないからか、彼でもこの状況を把握するのは難しいらしい。 でも、あたしの顔を覗き込んだ壱夜は、軽く目の色を変えると、 「わりぃ、屋上行くか」 バツが悪そうに言って、少し戸惑いながらもあたしの手を取った。 ……壱夜に片手を引っ張られ、声も出さずに泣いていたあたしは、きっと酷く滑稽だっただろう。